土地の等価交換でも不動産取得税はかかる!?特例でも取得と変わりません!

土地の等価交換は、土地を有効に活用するための方法の一つです。

この方法を利用することで、自己資金を使わずに不動産物件を手に入れることができます。

また、等価交換による特例も設けられており、条件を満たすと譲渡所得税が課税されません。

ただし、等価交換による特例で譲渡所得税がかからなくても、不動産取得税や登録免許税は必要になります。

こちらでは、土地の等価交換の不動産取得税について、詳しい仕組みや不動産取得税など課税される税金について詳しく解説していきます。

スポンサーリンク

土地の等価交換とは

土地の等価交換とは、ご自身が所有する土地を他者が所有する土地と交換する取引のことを指します。

この方法によって、両者が希望する土地を取得できる利点があります。

交換といっても実態は土地を譲渡し、別の土地を所得しているので、本来であれば、交換であっても不動産を取得した時に発生する不動産取得税がかかります。

しかし、土地や建物を交換したいときに譲渡がなかったものとする特例を利用すれば、不動産取得税はかかりません。

固定資産の交換の特例とは

土地や建物の交換したいときに譲渡がなかったものとする特例があります。

これを「固定資産の交換の特例」といい、これは譲渡所得の特例です。(国税庁:No.3502土地建物の交換をしたときの特例)(国税庁:No.3511土地建物と土地を等価で交換したとき

つまり、所得税の特例というわけです。

こちらの特例を受けるには、いくつかの適用条件を満たす必要があります。

固定資産の交換の特例の適用要件

固定資産の交換の特例の適用要件は以下の6つです。

場合は贈与になり、合意していない(知らない)場合は、遺贈となります。

  • 等価交換される資産が固定資産であること
  • 等価交換する資産が互いに同じ種類の資産であること
  • 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること
  • 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと
  • 等価交換する資産を交換直前の用途と同じ用途で使用すること
  • 等価交換する資産それぞれの時価の差額が、高い方の価額の20%以内であること

等価交換される資産が固定資産であること

等価交換する資産は、どちらも固定資産である必要があります。

固定資産の中には、土地も含みますので、土地の等価交換も固定資産の交換の特例の対象です。

ただし、不動産業者が販売目的で所有している土地などの資産(棚卸資産)は、特例の対象外ですので、ご注意ください。

等価交換する資産が互いに同じ種類の資産であること

交換する資産は同じ種類のものである必要があります。

例えば、土地と土地、建物と建物のように、互いに同じ種類の資産でなければなりません。

なお、借地権は土地の種類に含まれ、建物に附属する設備や構築物は建物の種類に含まれます。

交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること

譲渡する資産は1年以上所有しているものである必要があります。

交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと

さらに取得する資産も交換相手が1年以上所有しており、かつ交換のために取得されたものでないことが条件となります。

等価交換する資産を交換直前の用途と同じ用途で使用すること

取得する資産は、譲渡する資産と同じ用途で使用されなければなりません。

土地や建物の用途は種類によって区分され、交換譲渡資産の用途区分に合致している必要があります。

交換譲渡資産の種類 区分
土地 宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場または原野、その他
建物 居住用、店舗または事務所用、工場用、倉庫用、その他用

等価交換する資産それぞれの時価の差額が、高い方の価額の20%以内であること

最後に、交換によって生じる資産の時価と譲渡する資産の時価との差額が、いずれか高い方の価額の20%以内である必要があります。

例えば、Aの土地の時価が3,000万との土地の時価が3,000万の場合は、差額自体ないので、適用されます。

Aの土地の時価が3,000万との土地の時価が3,400万の場合は、

(3,400万円-3,000万円)÷3,400万円×100=11.7%

となり、20%以内ですので、利用することができます。

Aの土地の時価が3,000万との土地の時価が4,000万の場合は、

(4,000万円-3,000万円)÷4,000万円×100=25%

となり、20%を超えるため利用することができません。

交換差金は所得税の課税対象

高い方の価額の20%以内であれば、「固定資産の交換の特例」を受けられますが、等価交換するために、差額を金銭で支払う(交換差金)ケースがあります。

交換差金を受け取る場合は、その交換差金は譲渡所得として所得税の課税対象となります。

「固定資産の交換の特例」は、固定資産の部分だけですので、注意してください。

なお、譲渡所得にかかる税金は、総称して「不動産譲渡税」や「譲渡所得税」と呼ばれます。

不動産取得税と登録免許税

「固定資産の交換の特例」の対象科目は、あくまでは、所得税(譲渡所得)です。

他の土地を取得していることには変わりはないので、土地取得における以下の税金が課税されます。

  • 不動産取得税
  • 登録免許税

不動産取得税は、不動産を取得した際に課税される税金です。

この税金は、土地の譲渡や売買によって、必ずかかる税金です。

登録免許税とは、土地の登記をする際に課税される税金です。

登記をするかどうかは自由ですが、登記は第三者に対して所有権を主張する手段です。

土地の等価交換をした場合は、必ず所有権移転登記を行いましょう。

そのほかにも細かいことをいえば、申請書の印紙税や税理士への報酬など費用が発生します。

交換による所得税がかからなくてもその他の費用がかかりますので、全部でどれぐらいかかるのか把握してから等価交換するか考えましょう。

まとめ

土地の等価交換は、土地を有効に活用する手段の一つであり、自己資金を使わずに不動産を手に入れることができます。

また、等価交換による特例があり、条件を満たすと譲渡所得税が免除されます。

ただし、不動産取得税や登録免許税などの税金はかかってきますので、一切費用がかからないというわけではありません。

また、使い方を間違えれば、多額の税金を納めることにもなりかねないので、慎重に見極めて活用しましょう。

建築士・宅地建物取引士・建築積算士・被災建築物応急危険度判定士・SEOコンサルタント

分離発注で家建築。
「気密?知らん。気密は秘密」と笑ってギャグを飛ばすおじいちゃん大工さんたちと独学で高断熱高気密住宅を建ててみた。
【結果】
C値:0.0(中間時:0.025、完成時:0.006)

気密処理はすべて自分で行いました。
丁寧に気密処理をすれば、素人がやってもしっかり気密が取れます。

Arduino・RaspberryPi・EPS32など電子工作が好き。
室内環境をフルオートで管理するのが目標。
月100万PV↑サイト運営とかSEO対策も得意。(証拠
SEOコンサル希望は「問い合わせ」まで

不動産贈与時にかかる税金
スポンサーリンク
シェアする
建築・不動産ブログの更新情報をRSSで受け取る
建築と不動産の教科書
タイトルとURLをコピーしました