乾太くんは高気密住宅に不利!?我が家のC値は0.0(0.006)

乾太くんを付けたら気密性が悪くなるのか?と疑問に思う方向けに気密性の重要性や気密性を高める方法を紹介しています。

結論

  • 気密性が必要な理由は、「冷暖房効果を最大化」「電気代の節約」
  • 乾太くんの気密性を悪くする箇所は、「排湿筒周り」「排湿筒の中」「給気口周り」「ガス配管周り」
  • 配管周りの気密にオススメなのは、配管用気密パッキン
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気密性が必要な理由

まず、住宅に気密性が必要な理由ですが、住宅において気密性が重要な理由はいくつかあります。

気密性が高い住宅では、隙間が小さいので、外部からのの浸入を抑えることができます。

これにより、室内の温度や湿度を一定に保つことができ、快適な居住環境を実現できます。

また、気密性が高いと本来の断熱性能を発揮でき、冷暖房効果を最大限に引き出すことができます。

冷暖房効果を最大限に引き出すとは、冷暖房の熱が外へ逃げにくく、効率よく室内を温めたり冷やしたりすることができるということです。

これは、エネルギーの節約(電気代の節約)にもつながります。

この気密性をよくするには、とにかく隙間を作らないことです。

特に外壁に穴をあけるダクト回りは丁寧な気密処理をすることで、気密性を保つことができます。

ちなみに我が家は乾太くんを入れていますが、気密測定の結果はC値:0.0(0.006)です。

家じゅうの隙間を集めると、1㎠の隙間しかありません。

これだけの情報では、乾太くんは高気密住宅に不利にならないと錯覚してしまいますが、乾太くんをつけると必ず外部とつながりますので、どんなに対策しても隙間はできてしまいます。

その隙間をいかに小さくできるかで、気密性を維持できますので、乾太くんが高気密住宅に向くのか、向かないのかではなく適切な気密処理、適切な給排気処理が大切です。

また、乾太くんの気密性を気密測定の結果(C値)で判断したいと思っている方もいると思いますが、気密測定時は乾太くんの排気ダクトは目張りするので、C値で乾太くんの気密性を直接判断することはできません。

結局のところ、適切に気密処理がされたかどうかで気密性は決まってきますので、そのあたりも含めて説明していきます。

乾太くんを入れても気密性を高めるには?

乾太くんを入れても気密性を高めるにはどうすればよいかということですが、どこに隙間があるのか、どこに隙間ができるのかを知ることが重要です。

乾太くんの気密性を悪くする箇所は、以下の4つです。

  • 外壁部分の排気ダクト(排湿筒)周り
  • 排気ダクト(排湿筒)の中
  • 外壁部分の給気口周り
  • ガス配管周り

 

外壁部分の排気ダクト(排湿筒)周り

乾太くんは、ガス衣類乾燥機で、衣類に高温の温風を当てて、乾燥させます。

高温の温風を当てると、衣類は乾燥し、ドラム内は湿った空気が溜まりますので、排気ダクト(排湿筒)を通じて外部に放出する必要があります。

乾太くんの排湿筒の取付については、3パターンありますので、詳しく知りたい方は「乾太くん排湿筒の取付前に知っておくべき3パターンの違い」をご確認ください。

外壁に穴をあけて排気ダクト(排湿筒)を通す方法が一般的ですが、気密性を維持するには、新築住宅の完成後ではなく、工事中に排気ダクトを先付する方法が有効です。

完成後に穴をあけて排気ダクトを通すと、排気ダクト(排湿筒)周りに気密処理を施すことができません。

乾太くんには以下の「後付フードセット」がありますが、こちらの排気ダクトを先付して、外壁側と内壁側のダクト回りに気密処理を行います。

またダクト回りの気密処理はいくつか方法はありますが、ダクト用の気密パッキンが気密性が高いです。

オススメなのは、日本住環境のドームパッキン(無孔)です。

こちらは、該当するダクトサイズに合わせてカットができます。

乾太くんの排気ダクトφ80を使う場合、φ80の気密パッキンはなかなか見当たりません。

日本住環境のドームパッキン(無孔)もφ80のサイズはないですが、φ75があり、少し大きめに切れば、φ80にもピッタリ収まります。

施工業者にダクト用の気密パッキンを使用しているのか聞いて、使っていない場合は施主支給で使用してもらうようにしましょう。

1枚数百円で施工も簡単で気密がとれます。

排気ダクト(排湿筒)の中

乾太くんの排気ダクト(排湿筒)を取り付けるということは、排気ダクト(排湿筒)の中は、室内と外部の空気が行き来できる道ができたことになります。

これはφ80あるいはφ100の大きな穴が外壁に空いているのと同義です。

大きな隙間があれば、そこから冬は冷たい風が入ってきて、夏は室内の冷たい空気が外へ放出されます。

そもそもここが、乾太くんは高気密住宅に不利と言われる所以でもあるのですが、こちらは乾太くんの「ダンパー付排湿口ガイドDG-80AK」が有効です。

排湿筒の中にダンパーが取り付けられていて、使用時以外はダンパーが閉じた状態となり、外気の侵入を防ぎます。

ただし、室内が「正圧」の場合は、ダンパーが開き気密性が悪くなる可能性もあります。

正圧でダンパーが開く

住宅の換気は、換気設備で空気を強制的に排出する第三種換気か、換気設備で給気と排気を強制的に行う第一種換気のどちらかが一般的です。

第三種換気は、強制的に排気するので、室内は「負圧」の状態になり、排湿筒のダンパーは閉じた状態になります。

第一種換気は給気と排気を強制的に行いますが、排気より給気が多くなると室内は「正圧」になり、圧力の度合いによってダンパーが開いた状態になる可能性もあります。

ただ、排湿筒の中を確認できないため、これは論理的な話ですが、そういう可能性があることは知っておいても損はないかと思います。

ダンパー付排湿口ガイドに穴あり

ダンパー付排湿口ガイドの話をしてきましたが、ダンパーで完全に気密できているわけではありません。

ダンパー付排湿口ガイドのCAD図面を見ると両側のヒンジの部分に小さな隙間のようなものがありました。(実物見忘れたので、実物見た方いましたら教えて下さい)

小さな隙間があれば、ダンパーが閉じていてもそこから空気が流入してくるため、少なからず気密性は劣ります。

しかし、ダンパーなしに比べれば断然ダンパー付の方が空気の流入を防ぐことができますので、高断熱高気密住宅を建てる場合は、ダンパー付排湿口ガイドを選択しましょう。

外壁部分の給気口周り

最後に乾太くんに必要なのは、給気です。

乾太くんの排気ダクト(排湿筒)を通じて、湿った空気を外部に放出させますが、それと同量の空気を家の中に入れなければいけません。

もしも、排気量よりも給気量が少なければ、室内は「負圧」になり、レンジフードなどから空気が逆流したり、玄関扉が開かなくなったりします。

第三種換気

第三種換気の場合は、自然給気ですので、各居室の給気口から空気が入ってきます。

しかし、実際には、乾太くんの近くの空気抵抗の小さいところから給気されます。

もしも、乾太くんの近くにレンジフードや排気口があれば、逆流して空気が供給されることがあります。

その場合は、より空気が入りやすい窓をあけたり、乾太くんの近くに専用の給気口を設けるようにしましょう。

また、乾太くんを設置してある部屋の扉を閉めると給気する面積が小さくなるため、扉が開きづらくなる可能性があります。

乾太くんを動かすときは、なるべく空気が入りやすいような環境にしましょう

それと、第三種換気は居室用の給気口を設けていますが、そちらもダクト用の気密パッキンを利用しましょう。

第一種換気

第一種換気の場合は、排気と給気を機械でコントロールして調整しますが、気密性が高い住宅ほど、機械換気以外で室内に空気が入ってくる隙間がありません。

そのため、乾太くんを動かしているときは、乾太くん用の給気口を設ける必要があります。

もしも給気口を設けなければ、レンジフードのダクトや、浴室・トイレなどの換気扇から空気が逆流してきます。(ちなみに我が家はレンジフードなしです。)

また、給気口を設ける場合、当然給気口周りの気密処理は必要ですが、給気口の中は外部とつながっていますので、外気が室内へ入ってきてしまいます。

そこで、推奨されるのが差圧式給気口(差圧式レジスター)です。

差圧式給気口(差圧式レジスター)とは、建物内外の気圧差を利用して換気を行う給気口です。

必要以上に外気が給気される(室内負圧)と自動的にダンパーが開き、気圧差が無くなれば、自動的にダンパーが閉じます。

隙間の面積を減らすという意味では、差圧式給気口(差圧式レジスター)も有効ですが、こちらもダンパーの間には隙間があるため、その分気密性は劣ります。

実際我が家でも差圧式給気口(差圧式レジスター)を設置していますが、乾太くんを使う時だけ、給気口の蓋を開けて、使わないときは閉めるようにしています。

ガス配管周り

最後に乾太くんはガスを利用した衣類乾燥機ですので、ガス配管工事が必要となります。

ガス配管は外壁に穴を空け、外部のガスボンベに接続しますので、ガス配管周りの気密処理も必要です。

ガス配管のサイズは小さいので、以下がオススメです。

 

 

 

まとめ

気密性の重要性や気密性を高める方法を紹介してきました。

乾太くんをつけると排気・給気で外部とつながるので、少なからず気密には影響を与えます。

しかし、正しい気密処理をすれば、それは限定的です。

高断熱高気密住宅を目指す施主さんで、気密を重視したいという気持ちはわかりますが、乾太くんを入れるか悩まれている方は、乾太くんの利便性と気密性を比較して、どちらを重視するか考えられたらよいかと思います。

建築士・宅地建物取引士・建築積算士・被災建築物応急危険度判定士・SEOコンサルタント

分離発注で家建築。
「気密?知らん。気密は秘密」と笑ってギャグを飛ばすおじいちゃん大工さんたちと独学で高断熱高気密住宅を建ててみた。
【結果】
C値:0.0(中間時:0.025、完成時:0.006)

気密処理はすべて自分で行いました。
丁寧に気密処理をすれば、素人がやってもしっかり気密が取れます。

Arduino・RaspberryPi・EPS32など電子工作が好き。
室内環境をフルオートで管理するのが目標。
月100万PV↑サイト運営とかSEO対策も得意。(証拠
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衣類乾燥機
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