ウッドデッキは、子供が遊ぶ空間として最適です。
絵本を読んだり、おもちゃで遊んだり、夏にはビニールプールを置いてプール遊びをしたりと子供の遊び場として大活躍。リビングの延長にウッドデッキを作ると部屋の中からでも親の目が届きやすく安心して遊ばせられます。
「 ウッドデッキの9つの使い方と目的別に考える4つの重要ポイント」では、ウッドデッキの使い方を具体的にイメージして、目的が明確になれば、考えるポイントが決まると説明しました。
今回、子供の遊び場としてのウッドデッキ作りで考えなければいけないのは、こちらになります。
- 動線計画と設置場所(生活動線・家事動線・来客動線の3つの動線を考える)
- アイテムの有無(落下防止用フェンスや屋根・パラソル、テーブル・チェアなど)
- 木材選び(耐久年数・床板表面の状態など)
- 必要な広さ(アイテムを置けるスペースも考慮する)
- 子供の遊び場として近隣に配慮できる環境かどうか
- 使用年数とその後の使い道はあるのか
- 子供が落ちないための落下防止用フェンスをつけるか、ウッドデッキを低くする
- 素足での怪我防止に、ササクレやひび割れが少ない木材の選択・定期的なメンテナンスを考慮する
- 真夏の火傷防止に、履物を履くかシェード・オーニング・パラソルで日陰を作る
こちらでは、子供の遊び場としてウッドデッキを作る方向けに、一つ一つ考えるポイントをクリアにしながらウッドデッキのプランを完成させていきます。
①子供の遊び場として近隣に配慮できる環境か
自分の敷地内だからといって、ウッドデッキで子供達を好きに遊ばせていいわけではありません。環境によっては、ご近所トラブルになることもあります。
- 子供が大声ではしゃいでいたら近隣から「うるさい!」と言われた
- ボール遊びをしていたら隣の窓ガラスを割ってしまった
- 子供がお隣さんの洗濯物を濡らしてしまった
- 夜遅くまでウッドデッキで子供を遊ばせていたら隣の家からクレームがきた
小さな子供は遊ぶことに夢中で、言い聞かせても近隣への配慮を忘れてしまいます。親御さんがしっかり教育することも大事ですが、そもそも子供たちが楽しく遊べる環境でない場合もあります。
- 狭い敷地にウッドデッキを作る
- 近隣のリビングのそばにウッドデッキを作る
- 近隣との隣地境界線の近くまでウッドデッキを作る
住宅密集地で近隣との建物の距離が近いことや、隣地境界線の近くまでウッドデッキを作ると、声が家の中にいても聞こえてしまいます。近隣にとっては、子供の大きな声はただの騒音ですので、それが原因で険悪な関係になってしまうことも。
近隣とのトラブルを避けるためにも、ウッドデッキで子供達を遊ばせるより、まずは周辺環境への配慮を第一にウッドデッキを作るべきかどうか考えましょう。
配慮できる環境であれば、次へ進んでください。難しい場合は、他のウッドデッキの使い方を考えてみましょう。
②何歳まで遊ぶのか、その後の使い道は?
ウッドデッキでの子供達の主な遊び方は、こちらです。
- おもちゃで遊ぶ
- 絵本を読む
- 滑り台で遊ぶ
- 水遊びをする
- 泥んこ遊びをする
想像がつくものも多いと思いますが、子供達は何歳までウッドデッキで遊ぶでしょうか?遊ぶとすればせいぜい小学生までです。中には、小学生低学年でも使わなくなって失敗したという方もいます。
一般的には、子供の遊び場としてウッドデッキを使う年数は、長くても12年ぐらいですが、この使用年数が何に関係してくるかというと材料選びと使い方の検討です。
材料選びと使い方の検討
完全に子供の遊び場だけの利用で考えるなら、12年程度ウッドデッキが使えればいいので、20年、30年耐久性のある高価な木材を選ぶ必要はありません。
子供が使わなくなった後も何かしらの使い道を考えるなら、そちらを主の目的としてウッドデッキプランの計画を立てましょう。
ただし、無理に使い方を考える必要はありません。長い目で見るなら子供の事ではなく、自分や家族にとって必要かどうか考えてください。もしも不要であれば、迷わず子供の遊び場だけの利用にしたほうが失敗しません。
③動線計画と設置場所
動線計画では、快適な生活を送るために、人の移動経路を考えて決めていきます。ウッドデッキ作りで考える動線は「生活動線」「家事動線」「来客動線」の3つです。
- 生活動線・・・日常生活で人が家の中を移動するルート
- 家事動線・・・家事をする人が家事をする時に通るルート
- 来客動線・・・客人が通るルート
子供の遊び場としてウッドデッキを使う場合は、主に「生活動線」からどのように過ごすのか、どこに設置するのかを考えます。
ウッドデッキは部屋の延長か?庭の一部か?
まず、ウッドデッキを部屋の延長として利用するのか、それとも庭の一部として利用するのかで、子供の遊び場としてのウッドデッキプランが変わってきます。
部屋の延長としての使い方
こちらは、部屋の延長として子供用の滑り台や玩具を置いて、子供達が裸足のまま楽しく遊べる空間になっています。ウッドデッキの3面には落下防止用のフェンスを設置して、近隣の視線も気にならないように考えられています。
庭の一部としての使い方
リビングの延長ではなく、庭の一部として子供達が遊べるように低く作られたウッドデッキです。土遊びで汚れてしまってもお構いなしですが、子供達が楽しく遊べる空間になっています。
- 部屋とウッドデッキを行き来する動線(部屋の中で遊ぶイメージ)
- 裸足で出入りできる
- 部屋と床面をフラットにする
- 子供が楽しく遊べるだけのスペースを確保
- 落下防止用フェンスの取り付けを検討する
- 玄関・勝手口からウッドデッキを行き来する動線(家の外で遊ぶイメージ)
- 靴を履いて出入りする
- 高さは低いほうが使いやすい
- 小さなサイズでも十分遊べる
- 落下防止用フェンスを取り付ける必要がない
このように部屋の延長か庭の一部かで、ウッドデッキの作り方が変わってきますので、まずはどちらのタイプにするのか決めましょう。
設置場所
庭の一部タイプ
ウッドデッキを庭の一部として利用する場合の設置場所はもちろん「庭」です。
一般的に外壁側にくっつけてウッドデッキを設置することが多いですが、庭が広ければ独立してウッドデッキを作ることもできます。
こちらは、広い庭に独立してウッドデッキを設置した事例です。夏は花火が見れたり憩いの場としても利用されています。
部屋の延長タイプ
ウッドデッキを部屋の延長として利用する場合は、リビングから出入りできる場所に設置することが多いです。
- リビングの延長として開放感のある空間になる
- 子供が遊んでいても目が届きやすい
- リビング側に庭があることが多く、設置できる場所がそこしかない
リビングは生活の中心で一日の大半を過ごす場所です。庭に面した場所に設置することが多く、何よりも子供が遊んでいても目が届きやすいことが大きな理由となっています。
方角
子供が遊ぶことを考えれば、東西南北どの方向であっても支障はありませんが、日がよくあたる真夏日では、熱中症になったり素足で遊ぶと床面が高温で、火傷する恐れもあります。
そういった場合は、パラソルやシェードなどアイテムを使ってカバーできるので、設置場所は子供の安全面から目が届きやすい場所に設置するのがよいでしょう。
近隣の環境
目が届きやすいリビングから出入りできる場所でも、お隣のリビングの近くや隣地境界線ギリギリの場所であれば、避けたほうが無難です。
子供に十分言い聞かせて遊ばせてもいいですが、他に設置できる場所があれば、そちらを検討しましょう。
複数の部屋からのアプローチ
動線は1箇所ではなく、コの字型の欠けた部分や横並びの2つの部屋にまたがってウッドデッキを設置すれば、いくつもの動線が考えられます。複数動線があれば、どのように使うのかをしっかり考えましょう。
④アイテムの有無
動線計画と設置場所が決まったら、安全かつ快適な子供達の遊び場にするためのアイテムを検討していきます。
落下防止用フェンス
ウッドデッキの高さがある場合は、子供が過って落ちてしまう恐れがあるので、落下防止用フェンスを取り付けてください。高さが低く、危険性がなければ不要ですが、近隣の視線が気になる場合は、目隠し用フェンスとしての設置も検討しましょう。
また、横板や格子状タイプのフェンスは、かえって子供がフェンスによじ登り危険ですので、板は縦向きのタイプを選んでください。
シェード・オーニング・パラソル
真夏のウッドデッキの表面温度は60度を超えることもあり、素足では火傷をする恐れがあります。子供に履物を履かせても座って遊べば、手が床面に触れたり熱中症にもなるので、真夏日には遊ばせないか、シェード・オーニング・パラソルなど日よけアイテムを設置しましょう。
- シェード・・・簡易な日よけ
- オーニング・・・可動式テント
- パラソル・・・大きな日傘・雨傘
オーニングは工事が必要な場合もあり、パラソルは保管エリアの確保が大変なので、邪魔にならず安価なシェードがオススメです。
・邪魔にならず価格が安いシェードがオススメ
ビニールプール
ウッドデッキの遊び方の定番と言えば、ビニールプールです。ビニールプールの形状は、丸型と四角型がありますが、スペースを有効活用するなら四角型がオススメです。