ペットを飼っている家庭では、ペットが走り回れる場所としてウッドデッキを設置することが多いです。中には、庭全体をフェンスで囲って愛犬専用のドッグランにリフォームする愛犬家もいます。
「 ウッドデッキの9つの使い方と目的別に考える4つの重要ポイント」では、ウッドデッキの使い方を具体的にイメージして、目的が明確になれば、考えるポイントが決まると説明しました。
今回、ペットの遊び場としてのウッドデッキ作りで考える項目は、こちらになります。
- 動線計画と設置場所(生活動線・家事動線・来客動線の3つの動線を考える)
- アイテムの有無(落下防止用フェンスや屋根・パラソル、テーブル・チェアなど)
- 木材選び(耐久年数・床板表面の状態など)
- 必要な広さ(アイテムを置けるスペースも考慮する)
- ペットの遊び場として近隣に配慮できる環境かどうか(無駄吠えをさせない)
- 使用年数とその後の使い道はあるのか
- ペットが落下・脱走しないための落下・脱走防止用フェンスをつけるか、ウッドデッキを低くする
- 素足での怪我防止に、ササクレやひび割れが少ない木材の選択・定期的なメンテナンスを考慮する
- 真夏の熱中症防止に、小屋や屋根の設置を検討する
- 利便性を考えて立水栓やドッグバスをつけるか検討する
こちらでは、ペットの遊び場としてウッドデッキを作る方向けに、一つ一つ考えるポイントをクリアにしながらウッドデッキのプランを完成させていきます。
①犬の無駄吠えをしつける
まず、犬専用のウッドデッキを作る場合は、犬が無駄吠えをしないようしっかりしつけましょう。ご近所トラブルで最も多いのが「犬の無駄吠え」による騒音です。
しつけができてない犬をウッドデッキで遊ばせると、騒音トラブルになる可能性が高いので、愛犬のためにウッドデッキを作りたいのであれば、無駄吠えをさせないことが大前提です。
まずは、周辺環境への配慮を第一に犬の遊び場としてウッドデッキを作るべきかどうか考えましょう。しつけも十分できていて配慮も問題なければ、次へ進んでください。難しい場合は、他のウッドデッキの使い方を考えてみましょう。
②何年ぐらい使うか、その後の使い道は?
あまり考えたくないことですが、犬や猫の寿命は約15年で20年以上生きた犬は極めてまれです。一度飼ったらもう飼いたくない方もいれば、新しいペットを飼う方もいるため、ウッドデッキを使う年数が変わってきます。
ペットの寿命から考えると、ペットの遊び場としてウッドデッキを使う年数は、15年程度持てばいいですが、この使用年数が何に関係してくるかというと材料選びと使い方の検討です。
材料選びと使い方の検討
ペットを飼うのは一度っきりであれば、15年程度ウッドデッキが使えればいいので、20年~30年持つような耐久性のある高価な木材を選ぶ必要はありません。
ペットの遊び場として使わなくなった後も何かしらの使い道を考えるなら、そちらを主の目的としてウッドデッキプランの計画を立てましょう。
ただし、無理に使い方を考える必要はありません。長い目で見るならペットの事ではなく、自分や家族にとって必要かどうか考えてください。もしも不要であれば、迷わずペットの遊び場だけの利用にしたほうが失敗しません。
③動線計画と設置場所
動線計画では、快適な生活を送るために、人の移動経路を考えて決めていきます。ウッドデッキ作りで考える動線は「生活動線」「家事動線」「来客動線」の3つですが、ペットの遊び場としてウッドデッキを使う場合は、世話がしやすい使い方を考えましょう。
- 生活動線・・・日常生活で人が家の中を移動するルート
- 家事動線・・・家事をする人が家事をする時に通るルート
- 来客動線・・・客人が通るルート
外で飼うのか?中で飼うのか?
昔は、外で犬を飼っている家庭が多かったですが、最近は、室内で飼う方がほとんどです。ペットの動線では、散歩とお風呂をどうするか考えましょう。
外で飼育
外で飼育するためのウッドデッキであれば、犬小屋をどうするか考えなければいけませんが、散歩をするときはウッドデッキからそのまま外へいけるように、ステップを設けて外出しやすくします。
動線は建物の中ではなく、ウッドデッキと外出するときのアプローチから考えましょう。
中で飼育
中で飼育する場合は、散歩から帰ってきてペットを抱えたままお風呂で足を洗ってもいいですが、ウッドデッキそばに水栓を設けてウッドデッキから部屋に入れるパターンも考えられます。
玄関からお風呂場まで遠ければ、ウッドデッキそばに水栓をつけたほうが便利ですし、お風呂もウッドデッキにドッグバスを設ければ、簡単に洗うことができ、排水溝の詰まりも解消されます。
設置場所
方角
ペットの遊び場としては、どちらの方角に設置しても基本的に支障がありませんが、外でペットを飼う場合は、暑さ対策が必要です。
濃い色のウッドデッキは特に熱を吸収して真夏日にはウッドデッキの表面温度が60度を超える場合もあります。犬も熱中症にかかりますので、南側にウッドデッキを設置する場合は、犬小屋を建てるか、屋根を取り付けましょう。
④アイテムの有無
動線計画と設置場所が決まったら、安全かつ快適なペットの遊び場にするためのアイテムを検討していきます。
落下・脱走防止用フェンス
ウッドデッキの高さがある場合や脱走の恐れがある場合は、高いフェンスをとりつけたほうがよいです。小型のペットであれば、フェンスの高さを低くして費用を安く抑えることもできます。
フェンスのタイプは足をかけて登れないように縦板タイプで隙間が狭いものがオススメです。
フェンス高さ
フェンスの高さは1.2mほどあったほうが安全で、ミニチュアダックスフンドなどの小型犬の場合は、低めのフェンスでも大丈夫です。心配な場合は、長めのリードをつけて脱走を予防しましょう。
犬以外で猫など簡単によじ登るペットの場合は、高くしても簡単に逃げてしまうので、外にでられないように完全に出口を封鎖して逃げられないようにしましょう。
屋根付きウッドデッキか小屋
真夏のウッドデッキの表面温度は60度を超えることもあり、素足では火傷したり熱中症になる恐れがあります。外でペットを飼う場合は、屋根付きにするか小屋を設置しましょう。
立水栓とドッグバス
散歩から帰ってきたら、家の中のお風呂場や洗面所までいかなくても、外で足を洗える立水栓があるととても便利です。他にもドッグバスを設置すれば、高さがあるのでシャンプーがしやすく、お風呂で洗うより毛詰まりの心配がありません。
⑤木材選び
ウッドデッキの材料には、大きく分けて人工的に作られた「樹脂木」と自生で育った「天然木」の2つがあります。さらに、天然木は柔らかい木材「ソフトウッド」と堅くて耐久性のある木材「ハードウッド」の2種類に分かれます。
この「樹脂木」「ソフトウッド」「ハードウッド」の中から木材を選んでいきますが、ペットの遊び場で木材を選ぶポイントは、耐久年数と床板表面の安全性です。
メンテナンスの手間がいやな人向け
まず、樹脂木と天然木のどちらを選ぶかですが、メンテナンスの手間をかけたくない人は樹脂木のウッドデッキを選んでください。
天然木は、時間が経過するとササクレやひび割れがでてきます。ペットが安全に遊ぶためには、サンドペーパーをかけて定期的なメンテナンスが必要です。
樹脂木は、まったくゼロではないですが、反りやゆがみ・ささくれ・割れが少ないのが特徴でメンテナンスの手間がかかりません。耐久性の面では、どのメーカーも遜色がないので、どの樹脂製ウッドデッキにするか価格や特徴から検討しましょう。
ペットの遊び場メイン、安全で安く作りたい人向け

ペットの遊び場をメインに考える場合、15年ぐらい長持ちしてソフトウッドの中でも耐久性が高い「ウエスタンレッドシダー」がオススメです。
ソフトウッドはハードウッドよりササクレやトゲが出にくい特性を持っており、安価なので安く費用を抑えたい方は、ウエスタンレッドシダーを選びましょう。
ペットの遊び場以外でも使う人向け
