イタウバの特徴(長所・欠点)と産地・イタウバフィエラ木材偽装問題

ウッドデッキ材のイタウバ

イタウバといえば、産地でどっちが品質が高いか販売業者同士がディスりあっている注目のウッドデッキ材です。

イタウバは南米ブラジルに生息し、現地では木造船の材料にも使われるほど耐水性に優れています。

こちらでは、イタウバをウッドデッキの材料に考えている方イタウバの特徴や欠点を知りたい方向けに、以下の4つの項目で詳しくまとめています。

主な要点
  • イタウバの特徴(長所・欠点)
  • イタウバ材のメンテナンスについて
  • パラー州産とマットグロッソ州産の産地問題。結局どっち!?
  • 産地だけじゃないイタウバフィエラ問題!
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イタウバの特徴(長所・欠点)

樹種名 イタウバ
別名 タウブジャオヌ
分類 ハードウッド
耐久年数 20年以上
材色 黄茶褐色
比重(kg/m3) 0.9~1.0
加工性 ★★★★
耐久性 ★★★★
防虫性 ★★★★
アクの出 少ない

イタウバは、別名タウブジャオヌとも呼ばれているブラジル原産クスノキ科の木材です。

海外では、橋、枕木、電柱などの構造材や木造船、高級デッキ材としても利用される耐久性の高い木材です。

水中でも使用できることから耐水性に優れており、ヨーロッパ各地でも広く使われています。

ウッドデッキ材に選ばれる特徴としては、「油分を多く含むためささくれが少なく、肌触りがいいことや、加工のしやすさ」が挙げられます。

そのうえ、イタウバの特徴を端的にまとめると以下になります。

  • 油分が多い
  • ツヤがあり肌触りがいい
  • 反りやささくれが少ない
  • 加工しやすい
  • 耐水性が高い
  • 色合いが変わる

セランガンバツの特徴(メリット・デメリット)

油分が多い

イタウバの一番の特徴は、油分が多く含まれていることです。他のハードウッドよりも油分を多く含むため、滑らかで粘りがあり、あとに示すようないくつかの特徴が生まれます。

産地問題では、この油分がどちらの産地の木材に多く含まれているかで、各社、品質の見解が異なり論争を繰り広げています。

他のハードウッドよりも油分が多く含まれている

ツヤがあり肌触りがいい

油分を多く含んでいるため粘りがあり、イタウバの表面はツヤツヤした艶やかさがあります。

素足で歩いても心地よい肌触りで、肌触りを重視する方にはおススメのウッドデッキ材です。

油分を多く含んでいるため木材表面はツヤツヤした肌触り

反りやささくれが少ない

油分を多く含んでいるため反りやささくれが少なく、小さなお子さんがいる家庭でも安心して使えます。

経年変化によるささくれも少ないから、公園や幼稚園でもよく使われており、小さな子供やペットを素足で遊ばせたい方には最適なウッドデッキ材です。

ただし、絶対にささくれができないわけではなく、もしもささくれができてしまったら、サンドペーパーをかけて表面を滑らかにしましょう。

反りやささくれが少ないので素足でも歩ける

加工しやすい

ハードウッドの中では比較的柔らかく、他のハードウッドと比べてカットやビス打ちがしやすいのも特徴の一つです。この加工のしやすさがウケて、DIYユーザーにもDIY向きのウッドデッキ材として支持されています。

他のハードウッドと比べてカットやビス打ちがしやすい

色合いが変わる

イタウバの表面は、最初にオリーブのような色をしていますが、徐々に珈琲のような薄い茶色へと変化していきます。

さらに年数が経ち紫外線を多く浴びると経年変化によってシルバーグレーに変色しますが、どの木材であっても基本的に年数が経つとシルバーグレーに変色します。

なお、この経年変化による変色は、耐久性に影響はありません。

時間が経つにつれて色合いが変わっていくので楽しめる

イタウバ材のメンテナンスについて

ウッドデッキのメンテナンス

イタウバは基本的にメンテナンスが不要で、ソフトウッドのように防虫性・耐腐朽性を高めるための防腐剤などの薬剤は必要ありません。

油分を多く含むため他のハードウッドと比べてもささくれが少なく、メンテナンスの手間がかからないのが特徴の1つです。

基本的にメンテナンスフリー。ささくれも少ないので手間がかからない

パラー州産とマットグロッソ州産の産地問題。結局どっち!?

ブラジルのパラー州産とマットグロッソ州産イタウバ

市場で販売されているイタウバには、主にパラー州産とマットグロッソ州産があります。この産地をめぐってどちらのイタウバが品質的に優れているかで主張を繰り広げています。

マットグロッソ州産のイタウバを専門に扱っているA社では、油分が多く表面が滑らかで肌触りがよい木材として紹介されています。

逆にパラー州産のイタウバを専門に扱っているB社では、マットグロッソ州産よりもパラー州産のイタウバの方が品質が高いと以下のように主張しています。

主張①油分の量

土壌が違うと木の特性が変わります。パラー州産の方が特に油分が豊富で木肌がしっかりしていて、マットグロッソ州産は油分が少なく軽いです。

主張②比重の大きさ

パラー州産の方がマットグロッソ州産よりも比重が10%以上高く、耐久性ではパーラー州産のほうが高くて丈夫です。

主張③斑点模様

パラー州産の方が斑点模様が多く、斑点がたくさんあるのは油分を多く含んでいる証拠です。逆にマットグロッソ州産は見た目はきれいですが、油分が少ない証拠です。

しかも、1年ぐらいすると木材表面が濃くなり、斑点模様が目立たなくなるので斑点も気になりません。

他の販売業者にも影響が!

さらにB社はマットグロッソ州産のイタウバは本物ではないと強く主張していますが、消費者は結局どっちがいいのか分からずに販売業者へ「どっちの産地を取り扱っているか?」「どっちがいいのか?」と問い合わせているのが現状だそうです。

その販売業者の中のC社では、わざわざ「産地について」の記事を書くほどの問題に発展しており、「産地の違いだけで極端な品質の違いがあるはずがない」「品質は木材の選別と品質管理だ」と苦言を呈しています。

結局どっち?

結局のところイタウバの産地がクローズアップされたことで、消費者が逆に悩むことになりましたが、まずは「イタウバをなぜ選ぶのか」を考えてみましょう。

イタウバを選ぶ理由

いろいろなハードウッドの中からイタウバを選ぶ理由を特徴から考えてみます。イタウバの特徴は以下の通りです。

  • 油分が多い
  • ツヤがあり肌触りがいい
  • 反りやささくれが少ない
  • 加工しやすい
  • 耐水性が高い
  • 色合いが変わる

基本的にハードウッドはどれも耐久性・防虫性・耐腐朽性が高いので、長持ちという点を除くと、イタウバの特徴はパラー州産でもマットグロッソ州産でも「他のハードウッドと比べて油分が多く、ツヤがあり、ささくれが少ない」ということです。

つまりは「油分が多いこと」がポイントで、油分が多いかどうかは「斑点模様の多さ」で分かるということになります。

油分が多い=斑点模様が多い
油分の多さを求めるならパラー州産

子供やペットが素足で遊べるよう、ささくれが少ない木材としてイタウバを選ぶなら、油分が多いほどいいわけで、それなら油分の多さをウリにしているB社のパラー州産イタウバを購入したほうが無難でしょう。

見た目なら他のハードウッドとの比較から

斑点模様は欠点だという方で、勘違いしてはいけないのは、A社でも「他に比べて黒斑点が比較的少ない」とコメントしており、まったく斑点模様がないというわけではありません。

見た目の美しさを重視するなら、ウリンやイペなど他のハードウッドでも美しい木目のものはあるので、パラー州産とマットグロッソ州産との比較より先に、まずは他のハードウッドと比較検討したほうがよいでしょう。

それでもイタウバを選択するのなら、他に比べて黒斑点が比較的少ないA社のマットグロッソ州産イタウバを購入したほうが無難です。

サンプルを取り寄せて実際にモノを確認

もちろん、C社が言うように「品質は木材の選別と品質管理」も重要なポイントなので、サンプルを取り寄せて実際にモノを見て検討してみるのもオススメです。

いくつかの業者にサンプルを依頼すると、実際に販売しているであろうきれいなサンプルや、売り物にならないような小口にサンドペーパーもかけていないサンプルなどさまざまです。

同じ木材でも肌触りや色の違いがあり、サンプルの扱い一つで業者の姿勢も把握できるので、イタウバに限らず迷ったらサンプルを取り寄せましょう。

・油分の多さを求めるならそれをウリにしているB社のパラー州産イタウバ
・見た目の美しさを求めるなら、他の木材との比較か黒斑点が比較的少ないA社のマットグロッソ州産イタウバ
・サンプルを取り寄せて実際にモノを確認するのもオススメ

産地だけじゃないイタウバフィエラ問題!

実は、イタウバは産地問題だけでなく、「イタウバフィエラは偽者問題」もあります。最近、イタウバフィエラやイタウバマロンという木材が販売されており、「イタウバフィエラとパラー州産・マットグロッソ州産との違いはなにか?」と検索される方が多いです。

実は、イタウバフィエラやイタウバマロンはイタウバではありません

イタウバはクスノキ科ですが、イタウバフィエラ・イタウバマロンはクワ科に属します。こちらについては、パラー州産のイタウバを専門に扱っているB社が、記事で偽者と反論しています。

イタウバフィエラ・イタウバマロンは、正確には「タタジュバ」と呼ばれるクワ科の広葉樹で、イタウバの木目に似ているのが特徴です。

イタウバフィエラ販売業者も「耐久性・見た目・色もイタウバとほぼ同等」と表現したり、イタウバフィエラは「※弊社呼称」と書いていますので、同じものと認識していた方は注意してください。

イタウバはクスノキ科で、イタウバフィエラ・イタウバマロンはクワ科

まとめ

ここまで「イタウバの特徴(長所・欠点)」「イタウバ材のメンテナンスについて」「産地問題」「フィエラ問題」の4点について説明しました。改めて要点をまとめると以下になります。

イタウバの特徴
  • 油分が多いためツヤがあり肌触りがいい
  • 反りやささくれが少なく、小さな子供やペットを素足で遊ばせたい方向き
  • 他のハードウッドと比べてカットやビス打ちがしやすく、DIY初心者向き
  • オリーブのような色が、徐々に珈琲のような薄い茶色へ色合いが変わる
  • 基本的にメンテナンスフリーで、ささくれも少なく手間がかからない
産地・イタウバフィエラ問題
  • 油分の多さを求めるならそれをウリにしているB社のパラー州産イタウバ
  • 見た目の美しさを求めるなら、他の木材との比較か黒斑点が比較的少ないA社のマットグロッソ州産イタウバ
  • サンプルを取り寄せて実際にモノを確認するのもオススメ
  • イタウバフィエラやイタウバマロンはイタウバではなくタタジュバ

イタウバにはどんな特徴があるのか、だいたい分かりましたか?

ウッドデッキ作りでは、ウッドデッキ材選び以外にも考えなければいけないことがいくつもあります。

まだウッドデッキ作りで悩みを抱えている方には、以下の記事がおすすめです。

ウッドデッキ材にイタウバを使おうと決めた方

規格サイズと価格相場からどれぐらい費用がかかるのかが分かります。

他のウッドデッキ材の特徴を知りたい方

ウリン・イペ・セランガンバツなど他のハードウッド・ソフトウッドの特徴が分かります。

ウッドデッキ作りをどう考えていけばいいか分からない方

 

 

建築士・宅地建物取引士・建築積算士・被災建築物応急危険度判定士・SEOコンサルタント

分離発注で家建築。
「気密?知らん。気密は秘密」と笑ってギャグを飛ばすおじいちゃん大工さんたちと独学で高断熱高気密住宅を建ててみた。
【結果】
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