外構工事の見積もりをしたけど、見積書の内容がよく分からないという問合せがとても多いです。
専門的な内容ではありますが、理由の1つが外構業者ごとに書式がことなることや書いている内容がバラバラだからです。
外構工事の見積書は建築工事の見積書ほど、難しくはありません。
こちらでは、見積書の内容や注意するポイント、外構工事の見積もりの取り方について、分かりやすく解説しています。
見積書の2つの書き方
外構業者から相見積もりをとって比較すると、工事の名前や書いている内容が違うことがよくあります。
見積書は基本的に「●●工事」ごとに分けられていますが、見積書の書き方は外構業者がそれぞれの書式でまとめるため統一されていません。
そのため、余計に一般の方が見た時に、よくわからない項目が並んで「まったくわからない」ということになるのです。
見積書の書き方としては大きくして以下の2つの書き方があります。
- 科目別
- 施工箇所別
科目別
科目別とは、以下のように工事の内容で項目がまとめられている見積書のことです。
- 土工事
- コンクリート工事
- タイル工事
- 石工事
- 植栽工事
こちらは、基本的に業種別にまとめた見積書で、例えば防水工事であれば防水業者が行い、植栽工事であれば造園業者や植木屋さんが工事するため、業者別に見積もりを取る場合は便利な書き方です。
施工箇所別
施工箇所別という言葉は、業界でも一般的ではないですが、工事をする場所ごとにまとめられている見積書のことです。
建築工事では、部位別・部屋別と呼ばれることもあります。
例えば、玄関のアプローチに石張りをする場合、工事別でまとめると
- コンクリート工事
- 石工事
のように見積書を作成します。
それに対して施工箇所別に工事をまとめる場合は
- 玄関アプローチ工事
のように施工する部分だけをまとめて1つの工事としての内訳となります。
他にもよく目にするのが
- 玄関アプローチ工事
- 車庫・ガレージ工事
- カーポート工事
- 庭工事
- テラス工事
- 門廻り工事
- エクステリア工事
- ガーデンウォール工事
といった項目です。
施工箇所別のメリットは、仕様を変更するときに簡単に金額比較ができることです。
例えば、石張りをやめてコンクリート舗装のままにしたかったら、玄関アプローチ工事の中の石貼りの項目を削除すれば、施工箇所別にどれぐらい減額できたのかチェックすることができます。
外構工事は範囲が小さいのでそこまでのメリットを感じませんが、マンションなど大規模な工事の場合、仕様変更は日常茶飯事でどれが増えてどれが減ったかの確認がものすごく大変です。
外構業者の中には、以下のように両方の書き方を合わせて提出するところもあるので、まずはどういった工事で分けられているのかをチェックしましょう。
- 土工事
- 基礎工事
- 組積工事
- コンクリート舗装工事
- 玄関アプローチ工事
- エクステリア工事
- 車庫・ガレージ工事
- 植栽工事
工事単価は業者によって大きく違う!?
外構工事の単価は業者によって違います。
例えば、土間コンクリートの工事費が6,000円/㎡のところもあれば、12,000円/㎡のところもあります。
両者を比較すると6,000円/㎡が安いと判断できますが、12,000円/㎡の外構業者がものすごく高く見積もっているというとそうではありません。
仮に、土間コンクリートの工事費が12万円/㎡と言われれば、ぼったくりですが、業者によってもある程度の幅がありますので、もしも金額に疑問を感じる場合は、相見積もりを取って金額を比較したほうがよいです。
仕様にも注意!
同じ項目であっても仕様の違いで金額差が出ている場合があります。
例えば、A社は土間コンクリートの厚みを10cmで単価を入れていたのに対して、B社は15cmで入れたいたら当然B社の単価が高くなります。
土間コンクリートは用途に合わせて荷重に耐えられる厚みが必要となります。
細かい仕様までは理解できなくても、単価が大きく違っていたら、仕様をチェックして内容に違いがあれば、どちらかの外構業者へ質問してみましょう。
違いを知ることで、単価が適正かどうかの判断になります。
外構工事業者を選ぶポイント
注文住宅でマイホームを建てる場合は、ハウスメーカーに依頼される方が多いと思います。
外構工事は、ハウスメーカーを経由して工事を依頼するのか、直接依頼するかになりますが、同じ外構工事でも費用がことなる場合があります。
外構工事業者を選ぶ方法は、どういった方法があるのか、メリット・デメリットはどのようなものがあるのかを理解した上で、外構業者を選ぶようにしましょう。
ハウスメーカー経由で依頼する
ハウスメーカーが提出する見積書の中には、外構工事の費用が含まれていないことが多いです。
ハウスメーカーに建物と一緒に外構工事も依頼する場合は、外構工事が完了した後に家の引渡しが行われますが、ハウスメーカー経由で外構工事を行う場合は、ハウスメーカーの紹介料とうい名目で中間マージンが発生するため、直接外構業者へ依頼するよりも割高になるデメリットがあります。
どれぐらいの差になるかは、ハウスメーカーによってそれぞれですが、15%~30%ぐらいは費用が上乗せされています。
中間マージンが発生する分余計な費用はかかりますが、ハウスメーカーが全て窓口となってくれるので、個別での対応もなく、保証もハウスメーカーがしてくれるメリットがあります。す。
外構業者との個別対応に不安がある方は、手間なことはあまりしたくないという方は、ハウスメーカーに一括でお願いしたほうがおススメです。
メリット
- ハウスメーカーが外構工事業者との調整をしてくれるので打ち合わせがスムーズ
- 外構工事も含めて工事をして、引渡しをしてくれる
- ハウスメーカーと提携をしている業者なので、変な業者がいない
- 外構業者を施主自ら探す手間がないので楽
デメリット
- ハウスメーカーへの中間マージンが発生し、工事費用が割り高になる
- 建物引渡し後に外構工事が一般的で時間がかかる
- もしも瑕疵があった場合の責任の所在が曖昧になる
外構業者へ直接依頼する
外構業者を探して直接依頼することもできますが、外構業者とのやりとりは施主自ら行う必要があるため、手間がかかります。
また、注文住宅の発注がハウスメーカーであれば、引渡しは住宅が完成したときに行われるのが一般的ですが、直接依頼して外構工事をする場合は、引渡し後になりますので、すべての工事が完了するまで時間がかかります。
もちろん外構のプロと直接話をするので、施主のイメージに対して的確なアドバイスをもらえたり、より精錬された外構デザインができあがるかもしれませんので、そういった意味ではプロの貴重な意見をもらえるといったメリットもあります。
他にも、ハウスメーカー経由での依頼ではなく、直接担当者と話し合いができるので、こちらが希望するデザインや雰囲気をダイレクトに伝えることができるメリットがあります。
費用面についてもハウスメーカーの中間マージンが発生しない分、安く抑えられるメリットもあります。
外構にもこだわりをもっていて、理想の住宅に仕上げたいという気持ちが強いのであれば、直接外構業者に依頼したほうがよいです。
メリット
- ハウスメーカーへの中間マージンが発生しないので、工事費用が安い
- 直接担当者と打ち合わせするので、施主の希望がダイレクトに伝わる
デメリット
- 施主自身が、外構工事業者を見つけなければならない
- 個別で打ち合わせをする必要がある
- 業者によっては、高く見積もってくる業者もいて、見積相場の判断が難しい
直接外構工事を依頼する場合の注意点
直接外構工事業者へ依頼するとハウスメーカーの中間マージンがないため、安く抑えられます。
しかし、外構業者の中で同じ工事であっても単価が異なったり、デザインが違うため必ずしも一律で安くなるというわけではありません。
外構業者の見積金額を見極める必要もありますが、1社だけに見積依頼すると外構工事全体の相場というものが分からないため、高いのか安いのか判断が難しいです。
そういったときは、必ず複数の業者へ見積もりを依頼するようにしましょう。
複数の業者から提出された見積書から相対的に見て判断できます。
次にどの業者へ見積依頼したらいいかということですが、複数業者へ依頼する場合は、一括依頼サービスというものもあります。
こちらの外構工事プラン・見積一括請求サービスでは、全国の優良外構業者を選別しており、その複数業者に対して一括見積りを依頼することができます。
また、単に見積依頼だけでなく、要望に合せた外構や庭工事のアイデアやアドバイスをしてくれたり、土地の形状や生活スタイルにあったプランも提供してくれます。
もちろんその中の業者を絶対に選ばなければいけないということではないので、相場感を知るためにも依頼してみるのもいいかと思います。
こちらは、外構リフォーム以外にも注文住宅の新築工事でも依頼ができます。
なお、外構工事に限らず、注文住宅の見積書も必ず複数業者へ依頼する合い見積もりをとるようにしましょう。
見積書を細かくチェックすれば、金額が下がることは多々あるので、提出された見積金額だけで判断せずに、中身についても精査するようにしましょう。
こちらの詳しい内容については、「見積書を信じてはいけない裏側大公開」にまとめていますので、ご確認ください。