エコウィンのメリットとデメリットまとめ

エコウィン(ecowin)は、輻射熱を利用した輻射式冷暖房システムです。

こちらでは、エコウィン(ecowin)のメリットとデメリットや、商品紹介内容の考察についてまとめています。

輻射式冷暖房「エコウィン」とは?

輻射熱とは、物体が発する熱が電磁波となって伝わる際に発生する熱のことで、温度が高い物体から低い物体へ熱が伝わる特徴を利用したのが輻射式冷暖房システムです。

輻射式冷暖房システム「エコウィン(ecowin)」は、以下の4つの商品を展開しています。

  • ecowin tower
  • ecowin panel
  • ecowin ornament
  • ecowin HYBRID

「ecowin tower」「ecowin panel」「ecowin ornament」はヒートポンプを利用して、冷温水により放射させていますが、「ecowin HYBRID」だけは、エアコンの配管を直接接続して、冷媒ガスにより放射させています。

輻射式冷暖房のメリット・デメリット

エコウィン(ecowin)のメリット・デメリットを説明する前に、「輻射式冷暖房」対「その他冷暖房(エアコンなど)」を比較したときのメリット・デメリットを紹介します。

詳しい内容については、「輻射式冷暖房のメリットとデメリットまとめ」をご確認ください。

輻射式冷暖房のメリット

「輻射式冷暖房」対「その他冷暖房(エアコンなど)」を比較したときの輻射式冷暖房のメリットは以下の4つです。

  • 風がないので巻き起こらない
  • 音がしない
  • 室内温度がほぼ均一
  • 掃除が楽

輻射式冷暖房のデメリット

「輻射式冷暖房」対「その他冷暖房(エアコンなど)」を比較したときの輻射式冷暖房のデメリットは以下の3つです。

  • 価格が高い
  • 立ち上がりが遅い
  • 壁タイプは壁が結露する

エコウィンのメリット・デメリット

輻射式冷暖房の共通のメリット・デメリットを理解した上で、「エコウィン(ecowin)」対「その他輻射式冷暖房」を比較したときのメリット・デメリットを紹介します。

エコウィンのメリット

「エコウィン(ecowin)」対「その他輻射式冷暖房」を比較したときのエコウィン(ecowin)のメリットは以下になります。

  • エアコンを利用して立ち上がりを早くできる

エアコンを利用して立ち上がりを早くできる

こちらは、「ecowin HYBRID」限定のメリットになります。

輻射式冷暖房のデメリットには、「立ち上がりが遅い」があげられます。

そこで「ecowin HYBRID」では、エアコンとエコウィンのパネルを接続させ、最初の立ち上がりはエアコンの機能を利用して、空気を暖めたり冷したりして、立ち上がりを早くしようとした商品です。

これは、他の輻射式冷暖房システムにはない機能ですが、輻射式冷暖房のメリットで上がっていた「無風」が失われます。

風を感じたくない方やアレルギーでハウスダストを巻き上げたくない方にとっては、デメリットにもなります。

販売業者が主張するメリット

また、「エコウィン(ecowin)」を販売している業者のサイトでは、以下がメリット・優位性として挙げられていました。

  • パネル面積当たりの冷暖房能力が他社より高い
  • 樹脂パイプは放射熱の効果は殆ど無いと考えられる

輻射による放射エネルギー量は以下の計算式から求められます。

Q=ε×δ×T4×A

Q:放射エネルギー量[W]

ε:放射率

δ:シュテファン・ボルツマン定数[W/㎡K4]

T:絶対温度[K]

A:パネルの表面積[㎡]

つまり、放射率と絶対温度が高いほど、パネル面積が広いほど、放射熱の効果が高くなるということです。

この中で、輻射パネルに影響する項目は、「放射率」「パネルの表面積」の2つで、「絶対温度」はヒートポンプの性能によるところが大きいです。

基本的にどの輻射式冷暖房メーカーも、ヒートポンプは「コロナ」「長府製作所」「三菱電機株式会社」など他社製品を利用するため、比較対象は「放射率」「パネルの表面積」の2つになります。(「ecowin HYBRID」は、東芝エアコンを推奨しています。

「パネル面積当たりの冷暖房能力が他社よりかなり高い」の根拠として、熱の効果を最大化するためにアルミ合金の放熱フィンを雁行配列にしたことを挙げていますが、形状・角度による比較データは見つかりませんでした。

放射熱の特徴として360度熱が移動しますが、雁行配列にしたことで色々な角度から壁に放射されやすくなっているということかもしれません。

しかし、全体の放射エネルギー量が増えるわけではないので、「かなり高くなる」とは考えにくいです。

次に「樹脂パイプは放射熱の効果は殆ど無いと考えられる」と主張されていますが、「と考えられる」とあるように、数値的な根拠によるものではありません。

パネルには、アルミ製・銅製・樹脂製がありますが、素材の違いで影響するのは「放射率」です。(熱伝導率の違いは、ヒートポンプの温度で表面温度を調整できるため熱伝導率の違いは考えないものとする)

放射率が高ければ、放射熱の効果は高くなりますが、放射率には、全ての波長についての比率を表す「全放射率」と特定波長における比率を表す「分光放射率」の2つがあります。

エコウィンの公式サイトでは、パネル表面に特殊加工をしており、遠赤外線分光放射率が96%(0.96)であると書かれていました。

遠赤外線の波長領域は、3μm~1000μmの範囲で、この範囲の放射率が96%ということです。

次に、樹脂パイプというのは、ずばり「クール暖」のことで、こちらのカタログでは、放射率は0.95(95%)であると書かれていました。

カタログでは遠赤外線を高反射すると書かれているものの0.95が「分光放射率」のものかまでは読み取れませんでした。

ただし、プランクの法則により輻射パネルの温度からどれぐらいの波長が放射されるのか分かっており、設定温度の範囲ではほとんどが赤外線の範囲です。

また、実際に「クール暖」を体験すればわかりますが、空気の対流は感じず、快適な空間を実現できています。

よって、「放射熱の効果は殆ど無い」というのは言い過ぎですね。

エコウィンのデメリット

「エコウィン(ecowin)」だけに限ったデメリットというのは、特にありませんが、他サイトで紹介されていたデメリットには以下のようなものがありました。

  • 冷房の能力が低い
  • 風がないと体感温度が暑く感じるため、冷房としての機能は期待できない
  • 換気もしなければ熱交換もしない

冷房の能力が低い

輻射熱は高温になればなるほど熱を放出し、低温になればなるほど熱を吸収します。

冷房の能力とは、つまり輻射パネルに接続するヒートポンプの性能に左右されるもので、エアコンでも同じことです。

エコウィン(ecowin)だから冷房の能力が低いということではなく、住宅の性能にあったヒートポンプを選択することが重要です。

風がないと体感温度が暑く感じるため、冷房としての機能は期待できない

人の温熱感覚を左右する要素には「気温」「湿度」「気流」「放射」「代謝量」「着衣量」の6つがあります。

風がなくても「放射」つまり輻射によって、熱が吸収され、冷たく感じます。

これは、実際に体験すればわかることですが、風がないだけで冷房機能は期待できないということはありません。

換気もしなければ熱交換もしない

エアコンも換気はしません。

熱交換も換気システムの話ですので、エコウィン(ecowin)の性能とは別次元の話です。