黒カビ除去!発生原因から掃除方法と予防法を知ろう!

お風呂場の壁に小さな黒いものが。

それは、増殖して目でも確認できるようになった「黒カビ」です。

黒カビを放っておくと、カビの胞子が体内に入り病気を引き起こすことがありますので、早めに掃除をして黒カビを除去しましょう。

また、黒カビが増殖しないように予防することも大切です。

こちらでは、黒カビが発生する原因・掃除方法・予防方法を詳しくまとめています。

黒カビとは

カビは「菌糸」と「胞子」の2つから構成されています

黒カビとは、お風呂場や洗面所などに発生するカビの一種で、「菌糸」と「胞子」の2つから構成されています。

黒カビの正式名称は「クラドスポリウム(Cladosporium)」ですが、クラドスポリウムは100種類以上に分類されており、室内環境からは以下の2種類がよく検出されます。

  • クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(C. cladosporioides)
  • クラドスポリウム・スフェロスペルマム(C.sphaerospermum)

「クロカビ」「クロカワカビ」と別名もありますが、一般的には黒っぽいカビのため「黒カビ」と呼ばれます。

しかし、黒カビの実際の色は黒ではありません。

黒カビの菌糸単体の色は、薄い褐色やオリーブ色、濃い深緑色などと表現されますが、茶系の色です。

菌糸単体では茶系の色ですが、目で確認できるくらい菌糸が密集すると、黒く見えます。

黒カビが増殖しやすい環境

黒カビの「胞子」は空気中に存在し、完全に取り除くことは不可能ですが、「胞子」があるだけでは、増殖しません。

黒カビは、以下の3つの条件がそろうと、増殖しやすくなります。

  • 温度が15~30℃
  • 相対湿度が85%以上(水分活性値0.85以上)
  • 栄養分が豊富

温度が15~30℃

一般的にカビは、0℃以下または40℃以上になると、生育不可能になります。

カビが活発に活動する温度は、20~30℃とキリのいい数字で表現されますが、実際にはカビの種類によって、快適温度が異なります。

黒カビ(Cladosporium)の培養温度とコロニーの成長速度の関係

室内微生物汚染 ダニ・カビ完全対策」の「培養温度とコロニーの成長速度の関係を示したグラフ」では、黒カビは20℃を中心に、15~30℃の範囲で成長が早い調査結果がでています。

相対湿度が85%以上(水分活性値0.85以上)

カビの中でもお風呂場に生えやすい黒カビや赤カビは、好湿性カビに分類されます。

黒カビ(Cladosporium)の温度・水分活性試験

環境真菌と生態」の温度・水分活性試験では、水分活性値0.93~0.95(相対湿度:93~95%)付近で最もよく発育し、水分活性値0.85以下(相対湿度:85%以下)で、発育が著しく弱くなる傾向が見られます。

水分活性値(AW):カビが繁殖に利用する自由水の割合を示した値。食品を入れた一定温度の密閉容器内の蒸気圧(p)と、その温度における最大蒸気圧(p0)との比で求められる。(aw=p/p0)

ただし、室内の相対湿度が85%未満であっても、黒カビが付着している部分に水分があれば、相対湿度100%に近い増殖しやすい環境となるため、注意が必要です。

栄養分が豊富

お風呂場の床や壁に付着している皮脂汚れ・垢(アカ)・石鹸カス・ほこりなどは、カビが好む栄養分と言われています。

しかし、「人類とカビの歴史 闘いと共生と」の中で、浜田信夫氏は以下のような見解を述べています。

  • 実験結果より、浴室に生えるカビは、水に溶けない皮膚を栄養にできない模様
  • アカの主成分・ケラチンは水に溶けにくく、分解吸収できるカビは少ない(アカは浴室のカビの主な栄養源とは考えにくい)
  • 水に溶けない石鹸カスは、カビの栄養にならない
  • 界面活性剤の成分が浴室の主な栄養源である

簡素にまとめると、「水に溶けない(溶けにくい)皮膚・アカ・石鹸カスは黒カビの栄養源にはならず、むしろ界面活性剤が含まれる石鹸が主な栄養源となる」というものです。

ただ、他の専門書や論文では、皮脂汚れ・垢・石鹸カス・ほこりなどが栄養分と書かれているものも多いため、絶対に栄養源とはならないとは断定できないのが、個人的な見解です。

どちらにせよ、掃除もせずこれらが室内に付着している環境は、黒カビの増殖を助長させますので、定期的に掃除をすることが大切です。

黒カビの特徴

黒カビを正しく除去するには、黒カビの特徴を知ることが重要です。

  • 素材の奥深くまで根を張って入り込むこと
  • 赤カビをエサにすること

黒カビの一番の特徴は、「素材の奥深くまで根を張って入り込む」ことです。

頑固な黒カビと揶揄されるのは、表面の黒カビだけ除去しても、素材の奥深く根を張った菌糸は残ったままで、放っておくとまたすぐに増殖をはじめるからです。

黒カビのもう一つの特徴は、「赤カビをエサにしてしまう」ことです。

赤カビもお風呂場に生える代表的なカビですが、黒カビは、赤カビもエサとして吸収します。

つまり、赤カビが発生している場所は、次に黒カビが発生する可能性が高いということです。

なら赤カビを予防しようと考えがちですが、黒カビも赤カビも両方発生しないよう予防することが大切です。

 

 

黒カビがよく発生する場所

黒カビが増殖しやすい環境から考えると、以下のような場所で、特に黒カビがよく発生します。

どの場所も、黒カビに適した温度・湿度・栄養分が共通してあることがポイントです。

 

お風呂場

湯気が充満したお風呂場は、温度も湿度も高く、黒カビには絶好の発育エリアです。

そして、石鹸カスや体を洗う際にでる皮脂や垢が、カビの栄養分となり、増殖します。

お風呂場の黒カビ除去法

黒カビを殺菌したとしても、黒い色素は残ったままですので、漂白能力の高い「塩素系漂白剤」を使うのが効果的です。

洗面所

洗面所は、一般的に風呂場の近くに設置されるため、入浴時に湿度が高く、黒カビが発生しやすい環境です。

また、洗面器周りやシーリング部分は水の飛び跳ねにより黒カビにとっては最適な場所です。

洗面所の黒カビ除去法

洗面所では、洗面台と壁の境目にシーリング部分に黒カビが多く見られるため、塩素系漂白剤と片栗粉を使った掃除方法がおすすめです。

 

 

壁紙クロス

室内外の温度差により結露が起こると、壁紙クロスが水分を帯び黒カビが増殖しやすくなります。

特に入隅部分は温度の下がりやすく、黒カビが発生しやすい場所です。

壁紙クロスの黒カビ除去法

強い洗剤を利用すると、壁紙クロスを傷める可能性がありますので、重曹と酢(クエン酸)を使うのがおすすめです。

ガラス窓(ゴムパッキン)

窓が結露して、そのまま放置するとゴミが付着し、黒カビが発生します。

特に窓枠やゴムパッキン部分は水分が残りやすく、カビにとっては好環境な場所です。

ゴムパッキンに根を張って増殖すると、除去しにくくなるため、窓が結露した場合は、速やかに拭くことで、増殖を抑えます。

ガラス窓(ゴムパッキン)の黒カビ除去法

パッキンに黒カビが発生した場合は、パッキンの内部まで根を張っている可能性が高いです。

「塩素系漂白剤」を使った掃除方法がおすすめです。

 

カーテン

結露した窓にカーテンが接したり、湿度の高い梅雨時、カーテンに黒カビが発生することがあります。

カーテンの黒カビ除去法

カーテンの黒カビ掃除には、カーテンの素材にもよりますが、キレイに洗濯したあとに、乾燥機で乾かすのがおすすめです。

また、漂白剤につけ置き洗いも効果的です。

エアコン

エアコンの内部では、結露が起こり水分が残りやすく、黒カビが発生しやすい環境です。

また、室内のホコリも吸って風を送るため、カビの栄養分も豊富です。

エアコンの黒カビ除去法

エアコン機能を使って予防することはできますが、完全にカビを増やさないようにすることは不可能です。

熱交換器の部分であるフィンなどがカビている場合は、ハウスクリーニング業者に依頼するのが一番早いです。

 

洗濯機

洗濯機の使用後は水分が残っており、洗濯槽の内部に黒カビが発生すると言われていましたが、菌類学者の浜田信夫氏の調査で「エキソフィアラ」「スコレコバシディウム」というカビが多くいることが分かっています。

洗濯機の黒カビ除去法

洗濯機の中の黒カビは、直接取り除くことが困難なため、市販の「洗濯槽クリーナー」などを使った掃除方法がおすすめです。

衣類

衣類を収納する場所は空気が淀み、湿度が高いと黒カビが発生することがあります。

衣類の黒カビ除去法

衣類の黒カビ掃除には、衣類の素材にもよりますが、キレイに洗濯したあとに、乾燥機で乾かすのがおすすめです。

また、漂白剤につけ置き洗いも効果的です。

 

タオル(バスタオル)

長年使っているタオルや洗わずに放置していたタオルに、黒い斑点ができることがあります。

実はタオルの黒い斑点は、黒カビでない可能性があります。

こちらでは、タオルやバスタオルに黒カビ?が生える原因と黒カビの取り方について詳しくまとめています。

タオルの黒カビの取り方!黒ずみは実は黒カビじゃない!?
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タオルの黒カビ除去法

  • タオルの黒カビの取り方
    • きれいな水ですすぎ、汚れを落とす
      • タオルを水の中にしっかり沈める
      • すすぎは2回以上
      • キレイな水で十分すすぐ
      • お湯で洗うと汚れ落ちがよい
    • 浸け置き洗い
      • 60℃程度のお湯にしっかりタオルをつける
      • 色素を落とすには漂白剤が必要
  • タオルにカビを生えさせないようにする方法
    • 使ったタオルはその日の内に洗濯する
    • 乾燥しやすい環境にする
      • 洗濯するまで室内に干す
      • 壁からタオルを離す
      • タオルを二つ折りにしない

 

黒カビによる健康被害

黒カビそのものに毒性はありませんが、空気中に飛散している胞子を吸い込むと、アレルゲンになったり、肺胞内で繁殖し病気を引き起こすことがあります。

アレルゲン:アレルギー反応をおこす物質のこと。住宅内でのアレルゲンには、ハウスダスト・ダニ・カビ・花粉・ペットなどが挙げられる。

具体的な健康被害としては、気管支喘息やアレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・夏型過敏性肺炎・発熱や咳・呼吸困難などが挙げられます。

黒カビは、とくにアトピー型喘息の主要真菌アレルゲンです。

黒カビの予防には、黒カビの増殖を防ぐだけでなく、健康被害を防ぐ効果もあるため、特にアレルギー持ちの家族は、黒カビが増殖しないよう予防しましょう。

黒カビの予防

黒カビの予防には、黒カビが好まない環境にすることが大切です。

水気をふき取る

黒カビが増殖するには水分が必要です。

その水分をまめにふき取れば、増殖を防げます。こまめに掃除をする

黒カビの栄養分は、皮膚や石鹸カス、ほこりです。

こまめに掃除することを心がけましょう。

カビが出やすい場所を重点的に掃除するだけでも効果があるので、キレイな状態をキープすることが重要です。

 

 

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参考文献

こちらの記事は、以下の専門的な参考文献などを基にまとめられています。

千葉工業大学工学部建築都市環境学科教授・小峯裕己氏の編著。機械換気設備導入による環境改善が図られることを明らかにする目的で「ダニ・カビ対策の徹底ガイド」として取りまとめられたもの。ダニ・カビの被害から対策の基本的な考え方を知ることができる。
農学博士(京都大学)で大阪市立自然史博物館に所属している浜田信夫氏の著書。住環境のカビの生態について研究しており、浴室・居間などの居室以外にもエアコンや洗濯機などのカビも詳しく解説している。
浜田信夫氏の著書。初版が2020年と新しい書籍だが、内容は上記の「人類とカビの歴史 闘いと共生と」をコンパクトにまとめた内容。本書を読んで、さらにカビについて詳しく知りたい方は「人類とカビの歴史 闘いと共生と」で理解を深められる。
日本防菌防黴学会の編著。菌とカビの違いや、キッチン・トイレ・洗濯などでの予防および対処法を詳しく解説。絵も多用されており、初めて菌やカビについて調べる方にとって分かりやすい。
NPO法人カビ相談センター監修本。衣・食・住ごとにカビの特徴を解説。カビによる被害とカビを防ぐ方法もまとめられているが、個人が基本的に対策できることは、「清掃・清拭・洗濯」。