家を建てるなら自由に希望を叶えられる注文住宅が魅力的ですが、そんな注文住宅で家を建てたいと考え始めたときに、「いくらぐらいお金が必要なのか」「坪単価どれぐらいで家が建つのか」「ほかの人がどれぐらいの価格で家を建てているのか」など気になるところだと思います。
しかし、調べれば調べるほど色々な費用があり、結局トータルでどれぐらいのお金が必要になるのか分からずに混乱する方がとても多いです。
そこで、今回は注文住宅で家を建てるのに必要な費用の全体像を掴みながら、どこにどれぐらいの費用がかかるのかを紐解いていきます。
トータルの費用が予算になる
ハウスメーカーや工務店で営業担当者と話をするときは、必ずどれぐらいの予算なのか聞かれます。
また、逆にどれぐらいの費用で建つのか聞く人もいますが、ハウスメーカーや工務店が言う金額をそのまま鵜呑みにしてはいけません。
例えば、「坪単価80万円で延べ床面積120㎡なら約2,900万円ぐらいですね」と担当者が答えた場合、それはトータルの費用ではなく、建物を建てるだけの建設費のみと考えたほうがいいです。
一つの指標として得た情報を元に資金計画すると、あとで他の費用がどんどんかさみ、あっという間に予算を大きく超えてしまうこともしばしばあります。
資金計画を立てる場合は、どの費用が発生するのかどれぐらいの金額になるのかなど、必ずトータルの費用が予算であるということを意識しましょう。
土地と建物の費用を分けて考える
注文住宅で家を建てる場合は、土地がなければ建てることができません。
もともと持っている土地なら費用が発生しませんが、土地を持っていない方は新たに土地を購入しなければいけません。
そういった場合は、まずは土地と建物の費用を切り分けて考えることが大切です。
注文住宅で家を建てるときのパターン
注文住宅で家を建てる場合、大きくわけると以下の3つのパターンがあります。
- 更地の土地を持っていて、その土地に建物を建てる
- 土地と建物を持っていて、建て替えで建物を建てる
- 土地を購入して、購入した土地に建物を建てる
ある程度の金額を把握しようと坪単価や建築費の価格だけでチェックする方がいますが、大雑把な金額だけで資金計画を立てると思わぬところで費用が発生することも多々あります。
まずは、3つのパターンの中でご自身にどのパターンに当てはまるのかを把握した上で、どういった費用が発生するのかを理解しましょう。
更地の土地を持っていて、その土地に建物を建てる
もともと土地がある方は、当然土地を購入する費用を考える必要はありませんので、純粋に建物を建てるお金だけを考えれば済みます。
ただし、相続などで土地を取得する場合は相続税がかかりますし、相続するために相続登記申請の手数料や登録免許税・印紙税など諸費用が発生します。
相続した土地に注文住宅で家を建てる場合は、こういった諸費用も家を建てるトータルの費用に含まれます。
もともと土地がある場合
土地を相続した場合
土地と建物を持っていて、建て替えで建物を建てる
既存の建物を取り壊し新しく建物を建てる建て替えの場合は、既存の建物を取り壊すための解体費などが発生します。
土地と建物を相続した場合も、それぞれに諸費用が発生しますので、そちらも考えなければいけません。
もともと土地と建物がある場合
土地と建物を相続した場合
土地を購入して、購入した土地に建物を建てる
土地を持っていない方は、土地を購入する必要がありますので土地を取得するための土地取得費と取得するために必要な諸費用が発生します。
建物付きの土地を購入する場合は建物の解体費も発生しますが、あまり見られないケースなので今回は省きます。
土地や建物を取得する場合は必ず諸費用が発生する
土地や建物を取得する場合は、必ず税金や手続きするための手数料など土地代金・建設費以外に諸費用が発生します。
この費用を忘れて予算をたてるとあとが大変なことになります。
1つ1つの費用が万単位のものが多いので、すべてを合わせると数十万、数百万になることもあります。
この費用を忘れてしまうと、あとで支払いが苦しくなりますので、そういった諸費用が発生することを理解しましょう。
土地取得・相続に必要な費用
土地を購入するときの費用
土地を取得する場合は、土地代として土地取得費が発生します。それと合わせて土地を取得するための手続きに必要な諸経費を忘れてはいけません。
土地を相続するときの費用
土地を相続する場合は、土地代は不要ですが、相続するための手続きに諸費用が発生します。
建物取得・相続に必要な費用
建物を建てるときの費用
建物をたてるには単なる建設費用だけではありません。
建物を建てる費用は大きく「本体工事費」「付帯工事費(別途工事費)」「諸経費」の3つに分かれます。
建設費の詳しい内訳については、「注文住宅費用の内訳と押えておくべき4つのポイント」をご確認ください。
既存建物を解体して新築住宅を建てるときの費用
既存建物を解体して建て替えをする場合は、新築住宅を建てる以外に既存建物を取り壊す解体費が発生します。
この既存建物を相続して建て替えを行う場合は、更に相続関連の諸費用が発生します。
ここまで整理すると
家を建てるには必要なすべての費用=家を建てる費用(本体工事費+付帯工事費(別途工事費)+諸費用)+土地を購入する費用(土地代+諸費用)
となります。
この必要なすべての費用がつまりは家をたてるための予算となります。
この費用に既存建物や相続して取得するのであれば、それぞれの費用が加算され、それらすべての費用が予算となります。
この予算をすべて自前でまかないことができる方はそういません。
そんな時は皆さん住宅ローンを組んで家を建てる流れになります。
いくつかのパターンでどういった費用が発生するのかが理解できたら次は、予算をみていきましょう。
予算を考える
冒頭で、トータルの費用が予算になるとお話ししましたが、全部でこれぐらいかかるからそれだけの予算を確保しましょうということではありません。
ハウスメーカーや工務店が聞く予算は、建設費ととらえて考える方も多いので、お話する場合は、家が建つすべての費用を含めたものが予算であるということを必ず伝えてください。
そういう意味で冒頭で「トータルの費用=予算」で説明しています。
ここを意識しないと後からどんどん知らなかったような費用が発生しますので、打ち合わせ時には双方で「トータルの費用=予算」であることを認識し、家づくりの計画を立てましょう。
予算の内訳
家をたてる場合は、必ずと言っていいほど自己資金が必要です。それで足りない部分は親族からかりたり、親兄弟、会社からかりたりといろいろあります。
それ以外では、ほとんど住宅ローンでまかないます。
フラット35など条件によって100%貸してくれる場合もありますが、現実的に支払うとなると自己資金は用意していたほうがよいです。
予算の設定方法
予算を決めるには、そもそも自己資金がいくらあるのか、どれぐらいの年収で稼いでいるのかが大きく影響してきます。
他にも子供たちの養育費や親への仕送りなど家計の事情によって予算の設定方法はさまざまです。
予算の上限は、予算の内訳でも説明しましたが、「自己資金+借入金」になります。
これ以上の予算では返済することが困難になり、せっかく建てたマイホームを手放さなければいけなくなる場合もあります。
予算を設定する場合は、必ず家を建てるトータルの費用が予算の上限を超えないように調整するようにしましょう。
そのためにもハウスメーカーや工務店の担当者に対して「諸経費を含めて家を建てるトータルの費用で予算がいくらなのか」をしっかり伝えましょう。
家だけでなく土地も購入する必要があれば、それらの諸費用も含まれていると伝えることで、予算オーバーを回避することができます。