放射空調（冷暖房）システムの仕組みと種類まとめ

放射空調・放射冷暖房は、輻射熱を利用した空調システムです。

こちらでは、放射空調（冷暖房）システムの仕組みについて簡単に説明していきます。

輻射熱とは？

輻射とは、物体が発する熱が電磁波となって伝わる現象のことで、発生した熱が輻射熱になります。

放射空調（冷暖房）システムで輻射熱を発生され、室内を温めたり冷ましたりすることで、室内の温度管理を行っています。

住宅で利用される場合は、一般的に輻射冷暖房システムと言われますが、こちらでは、オフィスなど企業向けの放射空調（冷暖房）システムの仕組みについて解説します。

住宅で利用される輻射冷暖房システムも、オフィスで利用される放射空調（冷暖房）システムも同じ仕組みで、システムの規模が違うだけです。（個人・企業向けで名称が決まっているわけではない）

輻射熱には、温度が高い物体から低い物体へ熱が伝わる特徴があります。

よって、冬に室内を温めたい場合は、パネルを温めて輻射熱として室内の床・壁・天井・人へ熱を発します。

逆に夏に室内を冷やしたい場合は、パネルを冷やして室内の床・壁・天井・人の熱を奪いことで、涼しく感じます。

つまり、放射空調（冷暖房）システムとは、放射パネルを冷却・加熱し、直接物体（床・壁・天井・人）との熱を交換することで、冷暖房を行うシステムです。

放射空調（冷暖房）システムには、以下のような方法で冷暖房を行っています。

天井放射冷暖房システムとは、天井に放射パネルを設置して、天井面から温度コントロールをするシステムのことです。

放射パネルの冷却・加熱には、冷温水や冷却・空気（冷暖気）を通すことで、放射パネルの温度を設定するシステムなどがあります。

床放射冷暖房システムとは、床に放射パネルを設置して、床面から温度コントロールをするシステムのことです。

企業向けの放射空調（冷暖房）システムには、以下のようなものがあります。

三建設備工業の放射（ふく射）空調システムには、空気式放射空調システムと水式放射空調システムの２つがあります。

空気式放射空調システムでは、外気を処理するための外調機や温度を調整する調温機を使って、天井に設置された放射パネルから放射と対流による相乗効果で空調を行っています。

水式放射空調システムでは、天井の放射パネルに冷温水を通水するため、調温機の設置が不要で、静かな室温環境が実現できるのが特徴です。

他にも、地中熱や太陽熱を組み合わせることで省エネにつながります。

株式会社インターセントラルの放射冷暖房システムには、天井放射冷暖房システムと床放射冷暖房システムがあります。

天井放射冷暖房システムは、空調機からの空気によって天井放射パネルが冷やされます。

床放射冷暖房システムは、二重床の上部に冷温水配管を埋設して、さらにその下部から送風することで、熱を回収する仕組みとなっています。

株式会社ササクラの放射空調システムには、天井放射空調システムがあります。

こちらも天井に冷温水を通水させることで、放射パネルの冷却・加熱で室内温度を設定するシステムになっています。