注文住宅を建てるというのは、人生の中でも一番大きな買い物で一生に一度という方も多いかと思います。
注文住宅の相場は全国平均で3,312万円ととても高額な買い物です。これだけの高いお金を払って建てるなら誰でも満足する家を建てたいですよね。
しかし、ネットで検索すると建築業者とのトラブルや後で欠陥住宅ということが分かって愕然としたという体験談がたくさんでてきます。
また、「完成後の建物がイメージと違っていて納得できなかった」「イメージができる建売住宅の方がよかった」と失敗している方もいらっしゃいます。
注文住宅を建てる時に失敗しないためにも注文住宅のメリット・デメリットをよく理解した上で、どうすべきかを考えましょう。
注文住宅とは?
注文住宅とは、ハウスメーカーや地域の工務店、建築設計事務所などに自分好みの設計やデザインをお願いして、建築施工業者に建物を建築してもらう住宅のことを言います。
ハウスメーカーや工務店では、下請け業者に頼んだり施工もおこないますが、建築設計事務所に依頼する場合は、基本的には建物の設計デザインと施工監理を請負い、施工については地域の工務店などに依頼する形が多いです。
間取りやデザインを自分で決めることができ、プランニングも家族構成などに合わせてプロの設計担当者のアドバイスを受けれますので、自由に設計することができます。
尚、注文住宅は、大きく分けると以下の2つに分けられます。
- フルオーダー住宅
- セミオーダー住宅
フルオーダー住宅
フルオーダー住宅とは、注文住宅に使用する建築材料の仕様や海外製のシステムキッチン、地下室の設置など新築に関わるすべての内容を自由に指定して建てることができる住宅です。
自由に決めれる反面、それなりの建築知識も必要で時間がかかるといったデメリットもありますが、満足のいく住宅を建てることができます。
セミオーダー住宅
セミオーダー住宅は、ある程度の規格が最初から決まっており、部屋内装やシステムキッチン、お風呂、洗面所などの住宅設備、外壁の色や仕様などを選択して決めることができる住宅です。
間取りもある程度自由に決めることができ、予算に合わせて、設備をグレードアップやグレードダウンさせることもできます。
ハウスメーカーや工務店の場合は、フルオーダー住宅は手間がかかるため敬遠する会社も多いので、ハウスメーカーや工務店の多くはこのセミオーダー住宅が一般的です。
注文住宅のメリット
設計の自由度が高い
注文住宅のメリットといえば、なんといっても希望通りの家を建てることができる設計の自由度の高さです。
解放感のある家にしたい場合は大きな窓やリビングを吹き抜けにしたり、音楽活動ができる部屋がほしければ防音対策をした部屋にするなど、自由に設計することができます。
他にも間取りやデザインだけでなく、自身に強い耐震性の高い住宅を希望したり、安心して快適に生活空間を重視した設計もできます。
基本的にハウスメーカーや工務店・建築設計事務所へどういった住宅にしたいのか要望を伝えれば、要望にあった間取りやデザイン、建築材料の仕様などいくつかプランを提供してくれますので、その中から要望にあったプランを選択することができます。
しかし、中には建築基準法の規制などで希望に添えない場合もありますが、代替案を考えてくれる会社もありますので、せっかく注文住宅で建てるならこだわりましょう。
間取りや仕様などいろいろ自分で決めるて様々な要望を実現できるのが、注文住宅の魅力でメリットでもあります。完成した住宅と同じものはどこにも存在しませんので、世界で1つだけの家を持つことができます。
予算の調整ができる
注文住宅を建てる時は、どのくらいの建設費で建てるのかある程度の予算を立てますが、間取りや仕様など自由に決めることができる注文住宅では、要望したプランで予算オーバーすることはよくあることです。
予算オーバーした場合でも建築材料を変更したり予算を調整できるのがメリットの1つです。しかし、全体的に金額を減らして予算を調整することは避けましょう。
建売住宅ではなく、注文住宅を選んだ理由にはやはり自分の理想の家を建てたいという思いが強いはずです。中には、ここだけは譲れないというこだわりもあるかと思います。
予算を調整するポイントとしては、優先順位を決めてメリハリをつけることが大切です。
例えば、ドイツ製のシステムキッチンだけは外せないのであれば、そこは仕様変更せずに、トイレや洗面台など特にこだわらないところのグレードを下げたり、部屋ごとに収納は設けずウォークインクローゼットにまとめたり一部設計変更をして工事費を削減することで予算を調整することができます。
このように予算は全体的に減らすのではなく、こだわりたい部分にはお金をだしてもこだわりを追求し、特にこだわりのない部分は徹底的に工事費を削減することでうまく予算を調整できるのがメリットの1つです。
予算に合わせて設計の段階で担当者と密に相談して納得がいくプランを考えましょう。
建築施工状況をいつでもチェックできる
建売住宅やマンションの場合は、完成したものを購入するため、どのように工事されたのか見ることができません。
しかし、注文住宅の場合は、基礎作りから建物が完成するまでの期間、でき上がっていく途中過程をいつでも確認できるメリットがあります。
建築現場へ足を運び、現場責任者や職人さんたちに色々質問ができるのもメリットの1つですが、仕事の邪魔をしない範囲で質問しましょう。
途中過程をチェックできるメリットがあることで、注文住宅は建売住宅に比べて欠陥住宅が少ないといわれています。
住宅を建てた場合は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく「住宅性能表示制度」というものがあります。
これは、評価機関が建物を調査するものですが、必ずしも品質を保証するものではありません。検査内容は構造躯体が中心で、断熱材の施工状況など目に見えない部分の検査はしません。
施工業者のできによって隙間ができていたり、中には欠陥住宅もある可能性があるので、第三者の専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。
注文住宅のデメリット
費用が高くなる(予算オーバーになりやすい)
注文住宅は自由に設計ができますので、自由度が大きい反面、設備や仕様にこだわりが強いと、建売住宅より費用が高くなる傾向があります。
予算を調整できるメリットがあるとお話しましたが、こだわりすぎて当初の予算を大幅に超える場合は、グレードを下げても支払可能な予算内に収まらないこともあるので注意が必要です。
予算オーバーしやすいデメリットを解消するためにも、注文住宅を建てる数年前から節約して貯蓄を増やす努力をしたり、こだわる部分とそうでない部分を明確に分けて、そうでない部分は下げれるだけコストカットし、こだわる部分になるべく予算をかけれるようにしましょう。
土地を探すのに苦労する
注文住宅の場合は、住む地域の好きな土地に家を建てられますが、希望の条件にあった土地を見つけるのはなかなか大変です。
いい土地があったとしても他の人がすぐ契約を結んだり、中には土地を購入して建物を建てる建売業者がまだ公開されていない土地情報をいち早く入手して購入したりするので、いい土地を探すのに苦労するデメリットがあります。
建売住宅の場合は、土地付きの建物ですので土地を探すといった苦労はありませんが、なかなか条件にあった土地が見つからずに家を建てることをあきらめる方もいらっしゃいますので、それだけ根気が入ります。
土地探しから入居までの期間が長い
土地を探すのも一苦労ですが、注文住宅は自分好みに設計できる自由度が高い分、こだわりが強くなり間取りを決定するだけでも時間がかかるデメリットがあります。
建売住宅の場合は土地も建物も同時に購入するので、お金を支払えばすぐに住むことができますが、注文住宅の場合は、土地を探して設計から建物が完成して住むまでに相当の時間を要します。
いついつまでに新居に引っ越したいという時期が決まっている場合は、その時期から逆算して、決めなえればいけないことや手続きなどに要する時間も考慮しながら計画的に動くようにしましょう。
完成した住宅をイメージしづらい
建売住宅のように完成した住宅を見て契約するわけではないので、設計図だけでは、完成した住宅がどんな風に完成するのかイメージしづらいといったデメリットがあります。
設計事務所や工務店でもイメージが湧くように建物の模型を作ったり、パソコン上で3Dの住宅を見せてくれますが、実際に建ててみるとイメージと違ったものが出来上がる場合もあります。
注文住宅はこんな人にオススメ
注文住宅は、時間がかかっても自分が思ったとおりのこだわりの家を建てたいという方には最適な方法です。
住宅にあまりお金はかけたくない方やこだわりがない方、完成したものの中から選びたい方は建売住宅がオススメですが、時間と手間をかけてイチから考える楽しさは家づくりならではの楽しさがあります。